クリーム時代のエリック・クラプトンがギブソンのES-335を使用していたことは有名だが、それ以外では、マイケル・J・フォックスはこのタイプの上位機種のES-345にビグスビーを付けて使用していた。
ジャズ/ブルース・ギタリストで「ミスター335」と言われるラリー・カールトンは、ギブソンよりシグネチャーモデルが出ている。グレッチのファルコンなどと比べると扱い易く、色んなジャンルに対応出来るギターであることから国内でも、ES-335を使用するギタリストはプロ、アマ問わず多くいるし、曲によってES-335に持ちかえるギタリストもいる。
元・黒夢のサポートギタリスト/元・SADSで有名な、坂下たけともはSADS初期(バビロン時頃までと思われる)にメインで335を使用し、足元にBOSSのイコライザー(GE-7)、VOXのワウ・ペダル、フット・コントローラーを置きアンプはマーシャルのJMP-1でプレイをしていた。それ以外にも「ルパン三世」のエンディングテーマでお馴染みのチャーリー・コーセイもES-335を使用しながらボーカルを取ってライブをすることもあれば、中之島地区の不動産関係のCMでES-335を使用しながら中之島ブルースを歌っていた。ジャズ、ブルース、ロック以外にもファンクでもこのセミアコを使用するギタリストも多くいるので、ジャンルを問わず色々な目線で活躍が出来るギターである。そして、ゴールドカラーということもありES-335で個性を出したい方には、お勧め出来るギブソンのセミアコである。
57クラシック搭載のビンテージ遺伝子を継承
ギブソンのセミアコであるES-335のDOT Plain All Goldは、57クラシックのハムバッカーのピックアップが、ブリッジ側とネック側のポジションに搭載されている。
結論から述べると、このAll Goldカラーと57クラシックのハムバッカーの組合せたES-335は、芸術と言えるほど美しいセミアコであると思う。黒のレスポールカスタムがブラックビューティーと言われるように、このゴールドカラーのセミアコも似たような呼び方をしても良いはずである。最近のギブソンのエレキギターには、バースト・バッカーが搭載されていることが多く、最新現行モデルのES-335でゴールドカラーなら、バースト・バッカーが搭載しているのだろうと思っていたが、57クラシックのハムバッカーが搭載ということで、音を出してみた。良いように言えば「懐かしい音」「ビンテージ感溢れる音」などと表現が出来る。逆に悪い言い方であると「古臭い音」と言える。バースト・バッカーに慣れている平成生まれの学生達が、このES-335を鳴らすと違和感があるかもしれないが、「古臭い音」でしか出せない音があり表現の幅も57クラシックならではのサウンドメイクが出来る。2ハムであるが、セミアコ構造のためエッジが効いているので、ブルージーなサウンドメイクやロックンロールのクランチサウンドにも向いている。クリーンカッティングで演奏するのであれば、アンプのトレブルを12時にしてミドルを低くするかミドルを12時にしたままであら、トレブルを2時~3時程度に上げてからピックアップはブリッジ側を使うのが良いだろう。もう少しエッジが欲しいならセレクターをセンターポジションにしてみるのも良いかもしれない。
335では珍しいゴールドカラー
ギブソンのセミアコでは珍しいカラーのAll GoldはES-335の最新現行スタイルのカラーである。このカラーのセミアコにビグスビーのアームが付いているならもっと格好良く見えると個人的に思っている。ゴールドカラーと言えば、レスポールのゴールドトップのイメージが強く、たまにフェンダーのカスタムショップ製のストラトキャスター、テレキャスターなどでもゴールドカラーはあるが、ES-335でのゴールドカラーは、コピーモデルのセミアコでも製造されることはない。自分でセミアコを購入しゴールドカラーに塗装をチェンジする人はいるかもしれないが、流石にそこまでしてゴールドにするということはないだろう。
2013年にホローボディーのメイプル材にAll Goldをいうカラーをセミアコで可能したギブソンは、更に演奏性を重視したパーツを取り組んだES-335のスタンダードなモデルへと進化をさせた。ライミネイト・メイプルボディーとホローボディーの中間的なサウンドとセンターブロックの構造を持っているES-335は、ソリッド特有のエッジの効いたサウンドがブレンドされているので、中間的なサウンドで表現することが出来る。そして、ES-335で、見た目がAll Goldと珍しいカラーなので弾いているだけでテンションが上がり、ステージ・パフォーマンスで目立つことは間違いない。
今では幻のアルニコV搭載のブラック・ビューティー
レスポールカスタムは1954年に発表されました。
ヘッドストックにはスプリット・ダイヤモンドインレイが埋め込まれ、マザー・オブ・パールによるブロック・ポジションマーカーが輝かしいゴールドハードウェアのゴージャスなデザインで、エボニー材のフレットボードがフィーチャーされています。
ABR-1チューン・オー・マチックのブリッジの他に、オプションのビグスビー・トレモロが搭載された仕様がよく知られており、発売当初はP-90とアルニコⅤピックアップをマウントしたスペックでした。更に、アルニコVはGRETSCHのダイナソニックピックアップのような音にも近く独特な雰囲気を持っています。ストラトキャスターやのイメージが強いジミ・ヘンドリックスもこのギターを使用することがあり、逆向きでプレイする彼はレスポールでも弾き辛さを感じなかったとのことです。今ではヒストリックコレクションのみのギターですが、レスポールが好きな人、シングルコイルが好きな人、ビンテージ感を求める人などは、どうやってこのレスポールを購入する方法を考えると思います。それほど、ネック側にアルニコVが搭載されたレスポールカスタムは魅力的なギターだからです。
現行版レスポールカスタム Custom Collection Les Paul Custom Gold Hardware
このレスポールカスタムは一般的なタイプのレスポールカスタムと何が違うか比べると見た目とフロント、リアにハムバッカーが搭載されていることは、見てすぐに分かります。しかし、カラーがブラックとホワイトだけと限定してしまうタイプの機種ですが、ワインレッドやイエローなどもある以外に、木材もボディーのトップ・バックとネックは全てマホガニーで指板はエボニーですが、指板はリッチライトを採用し、ボディーの「トップがメイプル」バックはマホガニーの構造となっております。
重さは4.38キロ前後あります。(※楽器によって若干重さが違います)21世紀らしいレスポールカスタムと言えるかもしれません。なぜなら、カラーが増えたと言うことと、木材の変更で音の鳴りを新しくするギブソンの進化と技術を試されているということも有り得るからです。一昔前はレスポール=ギブソンでしたが、今では国産のレスポールタイプの方が、作りが丁寧でネックの反りにも強くギブソン離れしたユーザーが減りました。ギブソンのレスポールはネックがすぐ反るとかネックが折れやすいと聞いたこともあるので、国産のMOMOSEなどのブランドの方が、作りが丁寧で安心と信頼が集まりレスポール使用者でもギブソンではなくMOMOSEを使用している人も多くいます。今後、ギブソンがどのようなアイディアで新機種をリリースするか楽しみでもあります。