独特なサウンドを持つディストーション
RATは1978年にアメリカで製造されジェフ・ベックを始め多くのギタリストに愛されたディストーションの1つです。
独特なディストーションですが、使い易く幅広い年齢層から支持を集めています。
RATのコントロールは左から
DISTORTION、FILTER、VOLUMEとなっており、FILTERはトーンコントロールの逆で、左に回せば回すほど音がスッキリしてきます。逆に右に回すとモコモコとするサウンドになります。
このディストーションはコントロールの全て12時方向にして鳴らすと普通のディストーションですが、12時方向の状態からボリュームだけ3時方向にしたら雰囲気が違ってきますし、真ん中のつまみにあるフィルターを前後させることで音色が別物になってきます。
ギターに関しては
ストラトタイプ、レスポールタイプ等色々ありますが
RATはそれぞれのギターのキャラクターに適して使え
ば、素晴らしい反応をしてくれるディストーションです。
幅広く使えるディストーション
上記でギターの特性に応じて使えるディストーションと明記しましたが、使用するギターと演奏するジャンルでRATのコントロールも工夫しないといけませんし、そこで頭を抱えてしまうことも多いと思います。
私は色々なギターを通してRATを鳴らしたことがありますが、一番左にあるDISTORTIONのつまみが9時方向でも十分に歪んだ状態だと思いますし、ストラトタイプとRATを組み合わせてハードロック等のジャンルであれば10時方向にしても良いと思います。レスポールタイプの場合は9時方向で歪みますし、フィルターのつまみを12時方向からのスタートで、ミドルのカットをしていくのも手段であると思っています。
RATはディストーションなのでブルージーなフレーズ、ジャジーなフレーズを弾くのは無理と判断する方も多いことでしょう。しかし、ディストーションのつまみを最小限にしてボリュームを大きくすることによって、雰囲気が出てきますので、音量の調整はギターのボリュームコントロールか足元にボリュームペダルを置いてコントロールする方法もあります。また、RATの音色をトリートメントさせたい方はエンハサーをRATの左に置いてみるのも良いと思いますし、もっとナチュラル感が溢れる音のトリートメントを望むのであれば、ビューマンギアのVIVACEが望ましいでしょう。
VIVACEを使ってRATの歪みをトリートメントしたいと思うのであれば、大量生産型の中国製RATのではなく量産型RATのUS製の方が無難です。
RATはプリアンプ、ブースターとしても使えます。
グランジ等のジャンルだと曲中に音色を変化させる時にRATをプリアンプとして使うギタリストも珍しくありませんし、音を持ち上げたい時にRATをブースターとして使うという方法で行うギタリストも多いです。
ブースターとして使う場合、私はディストーションが7時方向、フィルターが2時方向、ボリュームは3時方向にしていますが、もう少し歪んでもいいかと判断した時はディストーションのつまみを気持ち程度上げるか、9時方向まで上げて細かく調整して決めていることが多いです。
現行型RATとUSA製RATどちらが良いのか
現在のRATは中国製で大量生産されています。RAT2ではなくRAT3と基盤の中に書かれているものもあります。USA製RATは、シリアルナンバーと一緒にmade in USAとシールが貼られています。更に、中国製RATは、コントロールノブが変更されています。
サウンドに関しては、質が落ちたと言う人もいますし、中国製になったことで初代RATのクローンエフェクターを製造しているブランドも多々。
個人的な意見ですが、パーツの質は落ちているかもしれませんが、それが嫌ならいいパーツに交換してもいいと思います。逆に中国製と言わず、アメリカのRATと言われて音を出したら納得すると思ってます。
ビンテージのRATが100パーセントいい物とは思いませんし、現行型だからこそ無駄な部分を改良した部分もありますので、本当にここに関しては好き嫌いの問題になってきます。私が所持しているRATは90年代に購入した物で、ボリュームコントロールはガリガリとノイズが出ますし、ディストーションが9時方向にするとビキビキした雑音が出ます。そのためか、もう音を出すことはないと思っていましたが、グランジの楽曲を演奏する機会があれば使うでしょう。
まとめ
多くのギタリストに愛され使用されたPROCOのRATですが、プロ・アマ問わず人気があるディストーションの1つです。ジェフ・ベックから始まり、カート・コバーンや橋本絵莉子も使っています。オールランドプレイヤー、グランジギタリスト、ガールズバンドのギタリスト等、幅広く使われているディストーションです。